風邪っぴき


 珍しく昼前にクラサメがカヅサの研究室にやってきた。11時を回る前、もうすぐ次の授業が始まるというのに彼はふらふらと顔を赤らめながらその扉を開いた。
「…どうしたんだい?」
「すまない、昼までで構わない。少し、ベッドを借りたい」
「それは構わないけど…うわ、クラサメ君、熱があるじゃないか!一体どうしたんだい?」
 急いで棚から毛布を引っ張りだし、簡易ベッドに倒れ込むように転がったクラサメにかけてやる。上着を脱ぐのも気怠いらしく、息苦しいのか口元を覆う金属のマスクを取り去る。
「二日程前から…少し、体調が悪かったんだ」
「それで、報告書を仕上げてたら寝不足続きで悪化したっていうこと?」
「自己管理ができていないと言うなら笑え。…これ以上提出が遅れると、何を言われることか」
「軍令部長への、か。確かにそれは何が何でも仕上げなきゃいけなかったねぇ。まぁいいよ、昼までとは言わずゆっくり寝ていってよ」
 返事が聞こえる前にカヅサの耳に届いたのはうめき声。
 そういえば11組の生徒何名かが先日風邪を引いたと言っていた。今の時期に風邪が流行るのは珍しいが、喉から来るものに感染する生徒が多いらしい。カヅサはあまり外部と接触が無く風邪とはほぼ無縁なのだが、0組だけではなく他組との合同演習などにも参加するクラサメは生徒からもらってしまったのだろう。一応引き出しを探してみたが、風邪薬の類いは無い。
 クラサメが寝ている間に医務室で薬を貰ってこようと思ったところだが、健康なカヅサが赴いたところで出してもらえるはずもない。そして理由を話せば研究室ではなく医務室に連れて来いと文句を言われるに決まっている。クラサメの医務室嫌いは今に始まったことではなく、面倒なことになるため却下だ。
 ならばカヅサにできることは限られてくる。
 苦しそうな呼吸をしながら目を閉じて寝入ろうとしている親友を見、カヅサは気合いを入れるかのように白衣の袖をまくった。





「お粥のレシピ?」
 テラスに生徒の姿は無い。たまに授業を抜け出してくる12組の生徒や、遅刻の罰則として手すりで逆立ち懸垂をしている1組生徒を見かけることがあるが、今日はいないらしい。エミナがのんびりとひなたぼっこをしているだけだ。
「そう。クラサメ君が風邪を引いたみたいでね。医務室行く訳にもいかないし、とりあえずお昼ご飯でも作ってあげようと思って」
「それでワタシにレシピを…ねぇ。オートミールはどうかしら。それくらいならカヅサのキッチンにも置いてあるんじゃない?生姜でも入れたら体も暖まると思うんだけど」
「…生姜。なるほど」
「そもそもワタシに聞くっていうのが明らかに人選ミスよ。ワタシもカヅサとクラサメくんと同じで、魔導院育ちみたいなものだもの、料理なんてできる訳ないでしょう?」
「女性は料理ができるものじゃないのかい?」
 目を丸くして純粋に驚くカヅサの肩を彼女はもう!と笑いながら軽く叩いた。
「そういう幻想は勘弁してよ。…クラサメ君が休んでるってことは、0組の授業は?」
「本人に聞く前にダウンしちゃってね。自習課題か、基礎トレでもさせてるんじゃないかなぁ。クラサメ君は真面目だから、休講にはしてないだろうね」
「ふぅん?暇だし監督にでも行っちゃおうかな〜。どうせ軍部には伝えてないんでしょ?確か0組は明後日に軍との合同演習があるから、それまでにきちんと治してもらわないとまた嫌味言われちゃうわね」
「あぁ、頼むよ。ボクはクラサメ君の様子を見てるから、0組は任せてもいいかい?」
「勿論。なら、そういうことで決まりね」
 エミナはかつんかつんと軽快な音を響かせて魔法陣へ向かう。彼女の背中を見送りながら、果たして生姜なんてものが部屋にあるかどうかを考えながら首を傾げたが、不意にエミナはその足を止めた。
「どうしたんだい?」
「風邪の時くらいはゆっくり休ませてあげてよね!変な事しようとなんて思わないこと!それじゃ、クラサメくんによろしくね」



 さすがに病人相手に興奮する程欲求不満ではないはずだ。
 エミナに指摘され、とんだ誤解をされているようだとカヅサは少し心外に思いながら簡易キッチンに立っていた。相変わらずベッドで寝息を立てているクラサメの眉根は寄り、なんとか上着を脱がせてやったが薄らとその顔には汗が浮かんでいる。熱でも出て来たのかなぁ、と確認しようにも体温計なんていう文明の利器が存在する訳もなく。
 額に手を当てて体温を確認してみれば、アナログ的には熱があるのは分かったが具体的な状況は分かりようが無い。
 研究室の奥にある簡易キッチンには一体いつのものか分からないオートミールと、リフレのマスターに分けてもらった少量の生姜。いきさつを軽く説明したところ、他にも卵やら味噌やら様々な味付けができるようにと分けてもらえた。そんなに作るつもりもなかったが、嫌な顔一つせずに袋に入れて持たせてくれたマスターの好意を無下にする訳にもいかない。
「料理なんて、滅多にしないんだけどなぁ…」
 粥なんて作るのは生憎年単位ぶりだ。何年か前に同じようにクラサメが流行り風邪で寝込んだ時に作った記憶はある。エミナは風邪に罹ればすぐ医務室へ行くタイプだし、そもそもカヅサは風邪というものに縁がない。つまりこのオートミールはその数年前に粥を作った時に購入したものということだ。
「…………乾燥してるし、大丈夫だよね…」
 思えば候補生時代にも何度か粥を振る舞ったことがある。彼が医務室嫌いを発症したのがいつだったかは分からないが、気がつけばいつも風邪を引くたびに候補生の時は無断欠席をしていたし、武官となってからはこのようにカヅサの研究室に転がり込むのが常となっていた。つまりクラサメが風邪を引いたのも数年ぶりで、カヅサがこのキッチンで粥を作るのも数年ぶりということになる。
「クラサメく〜ん?」
 返事は無い。
 火をつけ、オートミールを鍋に入れる。
 風邪に良さそうな生姜などは入手できたものの、何か一つ物足りない。前はもっと別の物をオートミールに混ぜた気がする、とカヅサは首を傾げた。研究用とは別、日常で使っている棚からこれまたいつのものかは分からない栄養剤を引っ張りだしてくる。
 味に自信は無いが、栄養はあるはずだ。
 火を止め、それなりに柔らかくなったであろう粥を器に流し込む。時計の針は全て右半分。もう昼を過ぎてしまったらしい。
「クラサメ君、起きてる?」
 やはり返事はない。
 カヅサは鍋に水を張り、電気を全て消してしまってから粥を手にして部屋に戻ってくる。すっかり寝入ってしまっているクラサメを叩き起こすのは忍びないが、冷える前に粥を食べてもらおうとその肩を揺らした。
「ん…」
「ごめん、でもどうせ朝ご飯食べてないんだろう?少しでも何か胃に入れた方がいいと思って」
「あぁ、悪い…」
「どう?喉と熱の風邪が流行ってるみたいだから、君もそうだと思うんだけど…」
「喉が痛い、それから…だるい」
「熱があるからねぇ。座れるかい?寝たままだと食べにくいだろうから」
 スツールを引っ張りだしてベッドの隣に腰掛ける。湯気を立てる粥を少しかき混ぜて、匙に乗せふーふーと冷ましてやる。その蒸気で眼鏡が真っ白に曇ってしまったが両の手が塞がっていては外すこともできない。仕方なく視界不良のまま、ぼんやりとした表情を浮かべたままのクラサメの口元に粥を運んで行った。
 艶を含んだ唇が開くと乾燥していたのか上唇と下唇が弾けるように離れる。そこから銀のスプーンへ伸びて行くのは真っ赤な舌先。上気した頬に、潤んだ目元。どこかと虚ろな表情で、温度を確かめるかのようにスプーンの上に少量乗る粥を一舐め。
 その一連の動作がどれだけ官能的であったかなど本人は絶対に気付いていないだろう。
 食べれる温度ということが分かったらスプーンを銜える。しかし粥は温くなっていてもスプーンは熱かったらしく、すぐに口を外してしまう。一度口に含んでから離れたスプーンと口には唾液の糸が引き、いよいよカヅサは何も考えないままでいることが不可能になってくる。
 少量ずつ啄むように粥を啜って行く姿を見れば妄想してしまうのは夜の帳。褥で腰を揺らす姿だ。
 その唇から漏れるのは嬌声で、口に運び銀糸を絡めながら舌先で舐めとるのはスプーンでもなく粥でもなく、もっともっと卑猥なものだ。カヅサがそんな妄想に耽っていることもつゆ知らず、やっと一口分を食べ終えたクラサメはゆっくりと息を吐いた。
 やはりその姿は下半身にクリティカルだ。何も悟られまい、と平静を装って二杯目の粥を差し出す。
「どうだい、おいしい?」
「…味が分からない」
「………まぁ、喉を痛めてるならそうだよね」
「そういえば…もう昼か?」
 食べる口を止め、上目遣いでカヅサを見る。
「え、あ、あぁ。エミナ君が暇つぶしだって監督に行ったよ。今日一日休んで、明日もしんどいなら休んだ方が良いよ。軍との演習で風邪引いたままだと具合が悪いだろう?」
「だが、カリキュラムが…」
「座学じゃなくて実技の課題を出せば問題ないじゃないか。そんなことより、ボクは君の具合が優れないまま演習なんかに参加して食べられてしまうなんてことが…」
「食べられる?」
 違う。『食べて』しまおうとしているのはカヅサだ。風邪で具合が悪いと転がり込んで来た大事な友人に世話を焼きながら、邪心を好意で隠そうとしているのは紛れも無いカヅサで、思わず本音が漏れてしまったようだ。実戦演習で興奮状態にある兵士たちに今の状態のクラサメを見せたら『イチコロ』という奴だ。
「(クラサメ君に変な虫が付かないように、ボクが…この、ボクが守らないと)」
 脱線どころか線路を間違えた思考回路だ。しかしどれもこれもこの厭らしい姿態が悪い。
 眉根を寄せ、不安げに上目遣いをよこしてくるクラサメの表情が問題なのだ。このまま粥を投げ捨てベッドに押しつけ朦朧とした意識のままで犯してやりたいという歪んだ感情がふくれあがってくる。エミナの指摘がなければ、とうに事に至っているだろう。
 きっと纏う服の下だって汗ばんでさぞ気持ち悪いことだろう。高い体温の肌に浮かぶ汗を舐めとってやり、非道ではあるが思考が上手く回っていない今なら従順になって行為に応じてくれるであろう。その唇に銜えさせ、その舌で舐められてみらいものだと妄想だけがエスカレートしていく。
 熱さにも慣れて来たのか、あっという間に気付けばスプーンは空だ。
「自分で食べる。貸してくれ」
 絶対に気付かれてはならないと考えながらも、果てのない夢想に熱中しすぎていたらしい。先程までの潤んだ瞳などどこにもなく、確かに熱っぽい顔をしているものの打って変わって軽蔑するような視線はいつもと変わらない。そう、まるで汚物を見る目だ。
「いや、風邪の時くらい…」
「その風邪の時すら、どうせ卑猥な妄想をするような奴に食べさせられるのはお断りだ」
「…すみません」
 カヅサは碗を奪い取られ、がっくりとうなだれた。まるで自慰のお供にするようなレベルでの妄想をしていたのがまずかったらしい。
 寝ぼけていた頭も同時に覚醒してきたのか、クラサメは少しずつだがしっかりと粥を口に流し込んで行く。どうせ彼のことだ、虚勢を張って何ともない振りをしているだけで食べ終わる頃にはまたしんどいだの目眩がするだの言って寝始めるに決まっている。
 あられもない妄想に入り浸っていたカヅサもカヅサだが、気まぐれ天の邪鬼のクラサメもクラサメだ。
 拒否したりの罵倒したりの、酷いときは手が出るくせに、いざ行為に及べば大概積極的に腰を振ってくる。指摘すれば顔を赤くして少しの間縮こまってしまうが、すぐにまたもどかしげな仕草をしてみせる。無論そんなこと口が裂けても言えるはずがない。
「食べたらまた寝るといいよ。……そんな目で見ないでくれ、ボクは妄想こそするけれど、病人を襲うところまで落ちてはないよ」
「妄想をしたことは認めるのか」
「否定しようがないからね」
 (色んな意味の上で)元気になっていく下半身はもう認めざるを得ない。
 わざとらしい盛大なため息を一つ付くと、クラサメはカヅサに背中を向けて再びベッドに倒れ込んだ。




「…カヅサ?」
 シャワーを浴びて髪の毛を乾かし、何か飲もうと冷蔵庫を物色している最中に後方から聞こえたのはカヅサがシャワーを浴びる元凶となった人物の声。
 数時間程、完全にクラサメが寝付いた事を確認してから鍋と碗を洗ってしまおうと思ったところ、鳴りを潜めていたはずの邪念がぶり返して来たのだ。26になってまで、まるで思春期の男子生徒のように思い出して欲情し、自慰に至るだなんて真似をしてしまった自身に息を漏らした。
 そのため、実際はカヅサが全て一人で暴走しただけであったため元凶などではないが、カヅサにとってはクラサメの姿態が痴態にしか見えなかったことが元凶らしい。
 少しばかりげっそりとした表情で顔をのぞかせれば、もぞもぞと起き上がりベッドに腰掛けるクラサメの姿が視界に入る。
「起きたかい?」
「今…何時だ」
「もうすぐ夜だよ。どうだい、何か食べる?」
「………いらない」
「そう。あぁそうだ、今薬用意するよ」
 先程研究室のポストに入っていたのは風邪薬。シャワーを浴びている間にエミナがそっと入れておいてくれたらしい。白いメモには彼女の字で『欲情しちゃ駄目よ』とまるで部屋の内での出来事を全て見透かされたように書かれていた。生徒に渡すものだと医務室でもらってきたらしいが、生憎医務室で渡されるこの風邪薬は異常なまでに苦い。
 良薬は口に苦し、だなんて言葉がいにしえから言われてはいるが、苦いからといって良薬である訳もない。
「その薬…」
 カヅサの手の中に見えた粉薬に思わずクラサメは顔をしかめた。
「エミナ君が君の為にわざわざもらってきてくれたらしいよ。……我慢、してね?」
「言い方がいやらしい」
「だからさっき謝ったじゃないか。もう…まぁいいや、ちょっと待ってて。飲みやすいように何か持ってくるよ」
 ポーションやエリクサーのように飲みやすさを重視した回復薬とは異なり、朱雀で鴎歴以前から飲まれて来たとも言われているそれは様々な植物を使ったもので効果の程はともかく重宝されているものに違いは無い。
 エミナがよく紅茶に入れると言って蜂蜜をキッチンに放置していたはずだ、と探してみれば使い差しのものを見つける。生姜を擦り下ろし、お湯で溶いたものにたっぷりの蜂蜜。刺激が強すぎないように、しかし甘くなりすぎないようにしたその生姜湯を持ってベッドの脇へ戻ってみると、黄色の粉を見つめ嫌そうな顔を浮かべているクラサメが「飲まなければ駄目か?」と心底拒絶したいという意志を滲ませた声を出した。
「大丈夫大丈夫。飲み込んでしまえば一瞬だよ」
「その一瞬が嫌なんだ」
「もう子供でもないし、候補生でもないんだから飲めるようにならなきゃ。はい、これで飲んで」
「…その生姜汁も嫌いなんだ」
「せめて生姜湯、って言ってくれないかなぁ。蜂蜜はたくさん入っているから、飲みやすいはずだよ」
 相変わらず渋い顔をしていたが、ここまで言われて尚拒否するのは忍びない。覚悟を決めたのかクラサメはその湯呑みを受け取ると、しかめっ面のまま一気に口に含み、粉薬を飲み込んでしまう。
「苦い?」
「……苦い」
「…」
「またどうせ卑猥な事でも考えてるのか」
「……よく…分かったね…」
「何年の付き合いだと思ってる」
 底にたまったとろりとした蜂蜜にくるまれたような擦り下ろしの生姜を最後まで飲み下す。唇にこびりついたものを舐めとり、空になった湯呑みをカヅサへ返そうとする。
 しかし、その湯呑みを受け取るや否やサイドテーブルに放り投げるように置いたカヅサがいきなりぐいと身を乗り出し、その蜂蜜味の唇に食らいついたのだ。
「ッ!」
 一瞬にして再び顔が熱くなっていくのを感じながら、思わずクラサメはカヅサの胸を押しのけた。
「何をするっ…」
 いきなり口を塞がれ、けほけほと息苦しそうに何度か咳をすると嗄れた声で非難する。しかし当のカヅサはなんの悪びれもないようににこにこと笑顔を浮かべたままだ。
「何を、って言われても。キスだよ。分からない?」
「それくらい分かる!」
「ほらほら、あんまり大きな声出さない。ボクがキスして、風邪が移ってしまえばその分早くクラサメ君のが治るかと思って」
「どんな理屈だ…」
「キスの建前」
 呆れて物も言えないのか、クラサメは顔を赤くしたまま俯いている。
 すると前方からカヅサの手が伸びて来て、くしゃりとその癖の強い髪の毛を撫でられる。顔を上げようとしたが、そのままぎゅっと芥子色のシャツに顔を押し付けられるように抱きしめられて身動きが取れなくなる。
 キス以上のことをされるのかと僅かばかり身構えていたが、カヅサはただくしゃくしゃと青みがかった髪の毛をかき回すのみ。
「…しないんだな」
「して欲しい?」
「いや、今は勘弁だな」
「そう思った。……あのさぁクラサメ君、忙しいのは分かるけど風邪引いた時くらいは思いっきり休んでいいと思うよ?」
「どういう意味だ」
 もぞもぞと腕の中から脱出を試みるが、思っていたよりもカヅサが腕に籠めていた力は強い。
「休むって決めた時くらいは補習とか、そんなこと一切忘れて寝てってことさ。魘されて課題がどうこう、報告書がどうこうって呻いてたんだからね?」
「……嘘だろう?」
「いや、本当」
 ゆっくりと体を離せば、クラサメは顔を多い盛大なため息をつく。
「もういい、今日はここを借りてもいいか?…お前の言う通り、風邪を治すことに専念しよう」
「その意見に賛成。ボクはずっと部屋に居るから、何かあったら呼んでくれ。じゃあ、おやすみ」
 最後にもう一度だけ、触れるだけのキスを落としてカヅサはそっとベッドに横たわったクラサメに毛布を被せてやった。




「来るな風邪菌め」
「……ひどくないかい?」
「こっちはやっと風邪が治ったんだ。またぶり返したらどうしてくれる」
「その風邪、ボクが看病してあげたから治ったんだよね…?」
「来週また軍との合同演習があるんだ。お前には感謝しているが、今回ばかりは離れてくれ」
「ひどいよ…あんまりだ…」






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